起立性調節障害とストレスの関係について

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起立性調節障害とストレス

起立性調節障害の原因となるストレスの種類を知る

起立性調節障害にかかるお子さん方の年代は、多感な時期であることが多いです。自我の確立というものが、大体この時期に当たるからです。正直、どんなことで起立性調節障害が発症してしまうかを一概に断定することはできません。


起立性調節障害の原因のひとつとされている「ストレス」の多くは、学校での問題や家庭間での問題であることが多いのですが、詳細な部分は本人以外知りえません。特に、小学校から中学校に上がる段階で起立性調節障害を発症してしまうお子さんが多く、その多くは友人関係などが原因に挙げられています。


精神的なもの以外ですと、この時期は急な身体の発達が起こり易く、成長ホルモンが乱れやすい状態です。さらに身体が大きく変化をしても、自律神経は急激な発達はしないので成長のバランスに問題が起き、それがストレスとなってしまうという説もあります。


ストレスと一口に言っても様々な種類やあり、人の数だけ違いがあります。「こんなことくらいで」などと思ってはいけません。本人にとっては、重大な悩みであることもあります。


他人と自分では、ストレスというものの捉え方そのものが違う場合もあるのです。まず何よりも、お子さんが抱えているストレスがどういったものなのか、あなたが一番に理解し、話を聞いてあげなければならないのです。



精神的ストレス

おそらく、起立性調節障害でお悩みのお子さんのほとんどが原因として考えられるのが「精神的ストレス」です。一般的に自分が嫌悪感を表すことや忌避感情を表すもののことを指します。代表例として挙げられるのが「人間関係」です。


学校での喧嘩やいじめなどから家族間での出来事といったものです。起立性調節障害のお子さんは、こういったものに大変敏感なお年頃です。直接的な関りがなくとも、少なからずのストレスを感じてしまいます。


家庭内でよく怒ったり、叱ったりしていませんか?もちろんそれは大切なことですが、限度や方法といったものがあります。もし叩いたり怒鳴ったり、物に当たったりなどをしているようでしたら、すぐにやめた方が良いでしょう。そういった行動は、お子さんに精神的ストレスを掛ける一方となります。


肉体的ストレス

筋肉の緊張や骨格の変位によってもたらされるのが「肉体的ストレス」です。自身が身体のコリや痛みを感じたり、怪我をして思い通りに動かせないもどかしさなどから発生します。筋肉の緊張は単純な身体の疲労から、精神的ストレスによりもたらされたりもします。


骨格の変位は何かしらの怪我や姿勢の悪さからきたりもします。猫背などの身体に負担のかかる姿勢があると、それだけでストレスになってしまっているということですね。一般的に肉体的ストレスは、精神的ストレスよりも治しやすいものです。身体の問題は比較的簡単に改善できたりするからです。


怪我や疲れだったら休息を取る、姿勢の問題ならば整体院などを利用して矯正をしてもらうことも有効でしょう。


物理的ストレス

気候や気圧の変化、時差などによるものが「物理的ストレス」です。他にもアレルギー症状によって発せられるものでもあります。一応、人間にはそういった変化に対応するための機能が備わっています。ですが、それでもストレスは溜まっていきます。


これが許容量の限界を超えてしまうと、自律神経が乱れることで起立性調節障害を発症してしまいます。台風などの急激な気圧の変化によって、体調が崩れてしまうお子さんもいるでしょう。起立性調節障害は春や夏の温暖な気候の時には症状が悪化してしまうことが多く、逆に秋から冬の寒い気候の時には緩和されることが多いとされています。


人間は気候によって血圧を変化させるのですが、寒い時には血圧を上げる作用が優先されるため、朝に低血圧状態になってしまっている起立性調節障害のお子さんには都合が良いようです。


身体的ストレス

栄養素の過剰摂取・不足や科学物質の副作用などによって生じるのが「身体的ストレス」です。


お子さんですと、食べるものが偏っていることやお菓子の食べ過ぎが多いことかと思います。こういった生活習慣は自律神経を乱れさせ易いと言えます。


重要なのはたんぱく質です。人間はストレスを受けるとたんぱく質を消費します。ストレスに対しての防御反応として、血圧や体温などを上げているからです。これが不足してしまうと、ストレスに対抗する手段がなくなってしまい免疫力が落ちてしまいます。


すると身体がどんどん弱ってしまい、風邪や病気になり易い状態になります。根本的に、体力やスタミナといったものが足りていないのです。こういったことにならないためにも、日頃からたんぱく質は補給しておかなければなりません。


主に、魚・大豆製品・卵に多く含まれており、あまり調理をしない方がたんぱく質の摂取効率が上がります。ですが、たんぱく質も摂取をし過ぎると逆効果になります。


過剰に摂って無駄になった分を排出するために、肝臓や腎臓に負担を掛け、カルシウムなど別の栄養素まで排出してしまうのです。結果、良くなるどころか逆に不健康な状態になってしまいます。摂り過ぎても摂らな過ぎても問題になってしまうということを知っておきましょう。


テクノストレス

「テクノストレス」は、最近になって世間に広まってきました。理由は、科学技術の発展による電子機器の普及です。これによって今や大半の方が携帯電話やパソコン、ゲーム機といったものを持つようになりました。


現代ではお子さんでも携帯電話を持ち歩いています。これらの電子機器は自ら発光しますが、こうした電子機器の光は自律神経にはあまり良くありません。夜遅くまで携帯電話を使用したり、ゲームをしていたらなかなか寝付けないと思います。


これは目が光を吸収することで交感神経が優位なってしまい、身体が活動すべき状態だと判断してしまうため起こります。特に、現代ではパソコンが使えないと仕事が出来ず不安に思ってしまうこともあります。ゲームなどに没頭し過ぎて中毒症状にまで発展してしまう場合もあります。


基本的に使っているときの姿勢も悪くなってしまうため、身体のコリや痛みから精神的な病気まで発症してしまうことがあります。


起立性調節障害のお子さんですと朝に起きられないため学校に行けず、午後は元気になるがやることがないためゲームをすることがあると思います。この行動は、元々乱れている自律神経がさらに乱れてしまい、起立性調節障害の症状がさらに悪化してしまう可能性があります。


ストレスが要因で起立性調節障害を発症するメカニズム

ストレスはいくつもの種類があることは説明しました。そして、ストレスが溜まることによって起立性調節障害が発症する、ということもご理解頂けたかと思います。


ですが同時にいくつもの種類のストレスがかかり、その中のどれが問題となっているのかということになると、話が難しくなってきます。そもそも原因が一つだけとは限らないからです。複数のストレスが入り混じり自律神経に影響を与えています。


これらのストレスが許容量を超えることによって、自律神経が乱れて起立性調節障害となってしまうのです。自律神経が乱れてしまうストレスの合計値が100だとしましょう。


まるでピラミッドのようにストレスが積まれていきます。その内10を精神的ストレスのせいだとします。仮に精神的ストレスが取り除けたとしても、残りの90は解消できていないのです。


これでは何かしらのストレスが、少しかかってしまうだけですぐに元に状態に戻ってしまいます。精神的ストレス以外のストレスが、ここでは問題になっているのです。


例えば、お子さんは普段から姿勢が悪かったりお菓子ばかり食べていたり、長時間ゲームをしていたりなどをしていたりすれば、その分他のストレスが掛かってしまいます。


そうなってしまうと、精神的ストレスはほとんど問題にならず、その他のストレスによって値の過半数が稼がれてしまいます。これらのストレスは許容量を超えることで問題を起こすのですが、許容量とはすなわち「体力」のことなのです。


ピラミッドのように積み重ねられたストレスは、「体力」の上からのしかかるようになっていきます。ちょうど「体力」がストレスを背負っている状態です。一定量のストレスならば「体力」はストレスを背負い続けてくれるのですが、ストレスが溜まり過ぎるとそれが出来なくなってしまい、「体力」がストレスに圧し潰されてしまうのです。


「体力」は身体を動かす・病気を予防する・怪我を治すなど様々な機能を持っていて、常にそれぞれに力を振り分けています。そして何かの機能を優先させる必要があると判断したとき、力の配分を偏らせます。


例えば、激しい運動をしているときには身体を動かす力に配分を偏らせ、他の力への配分は下げます。短時間ならば何も問題はないのですが、これが長期間続くと他の機能に力が振り分けられないため、他の機能に制限が掛かってしまいます。


そうなると正常な状態の維持が困難になっていき、病気になったり治りが遅くなったりなど、身体への悪影響が出てきてしまうのです。すなわち、起立性調節障害はお子さんが、何かしらの無理や不摂生をしているために発症するのです。それを止めることが出来れば、起立性調節障害の症状が改善することすらあります。お子さんの日頃の生活習慣を見直し、何がどの種類のストレスとなっているのかを見極める必要があります。


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